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中学受験における御三家の実質倍率を比較してみました!
※本ページにはプロモーションが含まれていますはじめに
2023年度の中学受験において、東京の男女御三家(開成、麻布、武蔵、桜蔭、女子学院、雙葉)の入試が終了し、
「受験者数、合格者数、実質倍率!」
が確定しました。
そこで、
今回は、東京の男女御三家の直近(過去9年間)の実質倍率について、各学校毎に色々と述べたいと思います。
[目次]
志願倍率、実質倍率とは?
・志願倍率
・実質倍率
御三家の実質倍率を比較してみました
男子御三家(東京)の実質倍率
・開成中学校
・麻布中学校
・武蔵中学校
・総評
女子御三家(東京)の実質倍率
・桜蔭中学校
・女子学院中学校
・雙葉中学校
・総評
最後に
志願倍率、実質倍率とは?
・志願倍率
・実質倍率
御三家の実質倍率を比較してみました
男子御三家(東京)の実質倍率
・開成中学校
・麻布中学校
・武蔵中学校
・総評
女子御三家(東京)の実質倍率
・桜蔭中学校
・女子学院中学校
・雙葉中学校
・総評
最後に
志願倍率、実質倍率とは?
中学受験だけの話ではありませんが、受験における倍率には、「志願倍率」と「実質倍率」があります御三家の実質倍率を比較する前に、念のため、志願倍率と実質倍率の説明を以下に示します。
※「そのくらい知っとるわい!」という方は、飛ばしてください。
志願倍率
志願倍率は、募集人員に対して、どれくらいの人が志願しているかの倍率となり、志願者数を募集人員で割った倍率となります。[例]
300人の募集人員に対して、志願者数が900人の場合は、
900÷300=3.0 となり
志願倍率は3.0倍です。
※御三家の志願倍率については、下記の記事をご覧ください。
[ご参考]
実質倍率
実質倍率は、受験した人数を合格者数で割った倍率、つまり、本当の倍率となります。[例]
800人の受験者数に対して、合格者数が320人の場合は、
800÷320=2.5 となり
実質倍率は2.5倍です。
※この記事は、この実質倍率に関する記事です。
御三家の実質倍率を比較してみました
まずは、2023年度中学受験における男女御三家の実質倍率は以下のとおりです。
なお、
受験者数、合格者数は、学校発表、SAPIX、四谷大塚の数値を用いています。
▽男子御三家
学校名
受験者数
合格者数
実質倍率
開成
1,193名
419名
2.85倍
麻布
880名
365名
2.41倍
武蔵
579名
186名
3.11倍
▽女子御三家
学校名
受験者数
合格者数
実質倍率
桜蔭
607名
290名
2.09倍
女子学院
645名
275名
2.35倍
雙葉
355名
122名
2.91倍
2023年度の実質倍率としては、
男子御三家では武蔵、女子御三家では雙葉が一番高くなっています。
次から、各学校の実質倍率について詳しく見てみましょう!
男子御三家(東京)の実質倍率!
以下、男子御三家(東京)の実質倍率を比較してみます。開成中学校
以下、「開成中学校」の過去9年間の実質倍率です。▽募集人数
・300名
▽実質倍率
年度
受験者数
合格者数
実質倍率
2023
1,193名
419名
2.8倍
2022
1,050名
416名
2.5倍
2021
1,051名
398名
2.6倍
2020
1,188名
397名
3.0倍
2019
1,159名
396名
2.9倍
2018
1,171名
388名
3.0倍
2017
1,142名
395名
2.9倍
2016
1,131名
396名
2.9倍
2015
1,171名
395名
3.0倍
開成は、2020年度までは、受験者数、合格者数ともに安定しており、結果的に実質倍率も2.9倍~3.0倍と安定していましたが、
2021年度、2022年度は、新型コロナウイルスの影響により、受験者数が例年よりも減った中で、合格者数は例年並みということもあり、実質倍率は下がり2.5倍~2.6倍となっています。
そして、
直近の2023年度については、過去9年間の中では、一番多い受験者数となっていますが、
受験者数に比例して合格者数も過去9年間の中で一番多くなっているということもあり、
実質倍率は2.8倍と例年並みになっています。
[ご参考]
麻布中学校
以下、「麻布中学校」の過去9年間の実質倍率です。▽募集人数
・300名
▽実質倍率
年度
受験者数
合格者数
実質倍率
2023
880名
365名
2.4倍
2022
890名
371名
2.4倍
2021
844名
377名
2.2倍
2020
971名
383名
2.5倍
2019
998名
376名
2.7倍
2018
917名
378名
2.4倍
2017
947名
382名
2.5倍
2016
894名
390名
2.3倍
2015
895名
387名
2.3倍
麻布は、過去9年間の中では、受験者数が一番多い2019年度が一番高い2.7倍でしたが、
2021年度は、新型コロナウイルスの影響により、受験者数が過去9年間の中では一番少ないということもあり、実質倍率も2.2倍と、一番低い実質倍率となっています。
そして、
直近の2023年度については、受験者数、合格者数が若干減っただけで、前年並みということもあり、実質倍率は2.4倍と例年並みとなっています。
[ご参考]
武蔵中学校
以下、「武蔵中学校」の過去9年間の実質倍率です。▽募集人数
・160名
▽実質倍率
年度
受験者数
合格者数
実質倍率
2023
579名
186名
3.1倍
2022
626名
178名
3.5倍
2021
574名
183名
3.1倍
2020
580名
188名
3.1倍
2019
569名
186名
3.1倍
2018
541名
185名
2.9倍
2017
577名
187名
3.1倍
2016
590名
183名
3.2倍
2015
519名
185名
2.8倍
武蔵は、毎年、実質倍率が安定しているというよりも、どちらかというと受験者数にかかわらず、合格者数が安定しています。
上記の数値からもわかるように、毎年、180名前後の合格者数となっています。
そのため、受験者数により実質倍率が変動しているという点が特徴的です。
そして、
直近の2023年度については、前年度よりも受験者数は減っているということもあり、実質倍率は結果的に前年度より低くなっていますが、
例年並みの実質倍率となっています。
[ご参考]
総評
コロナ禍の2021年度、2022年度を除くと、開成と武蔵は、大体3.0倍前後の実質倍率となっており、男子御三家の中では高めの倍率となっています。
一方の麻布は、2.5倍前後となっており、男子御三家の中では低めの倍率となっています。
2023年度の実質倍率については、前年度より開成は上昇、麻布は前年と同等、武蔵は下降となっています。
女子御三家(東京)の実質倍率!
以下、女子御三家(東京)の実質倍率を比較してみます。桜蔭中学校
以下、「桜蔭中学校」の過去9年間の実質倍率です。▽募集人数
・235名
▽実質倍率
年度
受験者数
合格者数
実質倍率
2023
607名
290名
2.1倍
2022
534名
282名
1.9倍
2021
561名
283名
2.0倍
2020
532名
283名
1.9倍
2019
510名
281名
1.8倍
2018
521名
280名
1.9倍
2017
501名
269名
1.9倍
2016
523名
266名
2.0倍
2015
629名
271名
2.3倍
桜蔭は、「サンデーショック」の影響で、2015年度の実質倍率は過去9年間では一番高くなっていますが、
2015年度を除けば、大きな変動はなく、1.8倍~2.1倍となっており、とても安定しています。
そして、
直近の2023年度については、過去9年間では2番目に高い倍率となっています。
[ご参考]
女子学院中学校
以下、「女子学院中学校」の過去9年間の実質倍率です。▽募集人数
・240名
▽実質倍率
年度
受験者数
合格者数
実質倍率
2023
645名
275名
2.3倍
2022
709名
276名
2.6倍
2021
664名
274名
2.4倍
2020
746名
274名
2.7倍
2019
743名
281名
2.6倍
2018
717名
275名
2.6倍
2017
652名
278名
2.3倍
2016
673名
270名
2.5倍
2015
873名
340名
2.6倍
女子学院は、2018年度以降、受験者数が増え大人気となっており、「サンデーショック」の2015年度、2018年度、2019年度が2.6倍と高い実質倍率でしたが、
2020年度は、さらに高い2.7倍となっており、過去9年間の中では一番高い実質倍率となっています。
そして、
直近の2023年度については、受験者数が減り、合格者数は例年並みということもあり、実質倍率も2.3倍と前年度より低くなっています。
[ご参考]
雙葉中学校
以下、「雙葉中学校」の過去9年間の実質倍率です。▽募集人数
・100名
▽実質倍率
年度
受験者数
合格者数
実質倍率
2023
355名
122名
2.9倍
2022
346名
121名
2.9倍
2021
357名
115名
3.1倍
2020
391名
118名
3.3倍
2019
339名
127名
2.7倍
2018
299名
120名
2.5倍
2017
352名
119名
3.0倍
2016
345名
116名
3.0倍
2015
501名
147名
3.4倍
雙葉は、武蔵と同じように、募集人数が他の御三家より少ないということもあり、毎年、実質倍率が安定しているというよりも、
どちらかというと受験者数にかかわらず、合格者数が安定しています。
そのため、受験者数により実質倍率が変動しているという点が特徴的です。
ちなみに、
2015年度は「サンデーショック」により、受験者数、合格者数とも多くなっています。
そして、
直近の2023年度については、受験者数、合格者数ともに前年度と同等ということもあります、実質倍率も2.9倍と前年度と同じとなっています。
[ご参考]
総評
2015年度は「サンデーショック」の影響があったものの、実質倍率に大きな変化はなく、近年の女子御三家の中では、女子学院、雙葉の実質倍率が高めとなっており、桜蔭の実質倍率は低めとなっています。※桜蔭の実質倍率が意外にも低いのは予想外と感じた方も多いと思います...
最後に
今回、東京の男女御三家の近年(過去9年間)の実質倍率をご紹介しましたが、「御三家の倍率は高いのでは?」
と思っていた方も多いかもしれません。
ただし、
今回、ご紹介したとおり、意外にも、
御三家の実質倍率は、
「毎年、2倍~3倍程度!」
です。
また、
下記の記事でも述べていますが、
1回目入試でも4倍~5倍、2回目入試では数十倍が当たり前の中学受験において、御三家の倍率は意外に低めです。
[ご参考]
そういう意味では、
受験生にしてみれば、数字上(倍率上)は、本番受験のときに、
自分の席の前後、または、左右の受験生に勝つことで、合格を手にすることができるということになります。
いずれにせよ、
御三家の実質倍率は、今後も注視していきたいと思います。