はじめに
中学受験に限った話ではありませんが、受験しようと出願したにもかかわらず、実際は受験しなかったという人がいます。
もちろん、色んな事情や理由はありますが、受験において「出願者数=受験者数」にならないのは周知の事実です。
そこで、今回は、中学受験において出願して受験しない人はどれくらいいるのか?について色々と述べたいと思います。
中学受験において出願して受験しない人はどれくらいいるのか?
以下、中学受験において出願して受験しない人はどれくらいいるのか?についてです。
出願して受験しない理由!
そもそも、出願したにもかかわらず、受験しないという理由は、人それぞれで色んな理由があるとは思いますが、僕が考える代表的な理由は、以下のとおりです。
●体調不良
中学受験をはじめ、高校受験、大学受験は冬に実施されるため、受験日当日に風邪をひいてしまったり、インフルエンザにかかってしまったりと、受験する意思はあるにもかかわらず、体調不良で受験できないというケースがあります。
※インフルエンザについては「中学受験におけるインフルエンザ予防・対策について!」の記事もご覧ください!
●ダブル出願
これも中学受験に限った話ではありませんが、第一志望校、併願校がなかなか決まらずに、一つの学校しか受験できないにもかかわらず、受験日、時間帯が同じ違う学校にダブルで出願することにより、もう一つの学校は受験しない(受験できない)というケースがあります。
特に、最近は、ほとんどの学校がインターネット出願になっており、出願しやすいということもあり、このようなケースは増えているのではと考えています。
※ダブル出願については「中学受験におけるダブル出願について!」の記事もご覧ください!
●併願校の受験
これもよくあるケースですが、併願校として出願した学校の受験よりも前に、第一志望校に合格した(入学する学校が決まった)ために、出願した残っている併願校の受験はしないというケースです。
ちなみに、うちは、麻布または渋幕に入学する学校は決めていましたが、残っている併願校の受験もしています。
※併願校の受験については「中学受験において入学しない学校の受験は無駄なのか?」の記事もご覧ください!
上記以外にも、出願したにもかかわらず、受験しないという理由はあると思いますが、いずれにせよ、出願したからといって、全員が受験するということはないです。
出願して受験しない人を何というか?
この記事を書く際に、出願して受験しない人(出願して受験しなかった人)のことを何と言えばいいのか?と疑問に思いました。
最初に思い浮かんだのは、
・未受験者?
・非受験者?
という二つの言葉ですが、
・未受験者は、まだ受験していない人
・非受験者は、全く受験しない人
という意味になってしまうと思い、ネットで調べてみたら、僕と同じ疑問を持つ質問がYahoo知恵袋に載っており、「未」は、まだという意味ではあるが、今になっても実現していない様を表すということで、「未受験者」でよいとのことです。
ということで、この記事では、出願して受験しない(受験しなかった)人のことを
「未受験者」
で統一します。
今回の調査対象!
今回、出願して受験しない人、つまり、「未受験者」はどれくらいいるのか?に的を絞って述べますが、下記の数値をご紹介したいと思います。
出願者数
出願した人の数
受験者数
受験した人の数
未受験者数
受験しなかった人の数(出願者数-受験者数)
受験率
受験者数÷出願者数×100
未受験率
未受験者数÷出願者数×100(100-受験率でも同じ)
ちなみに、以前、「中学受験において募集人員に対する合格者数はどれくらいか?」という記事でも述べていますが、学校によっては、毎年、合格者数は大体決まっているため、大体の受験率から受験者数がわかることで、大体の実質倍率(予想倍率)を割り出すことができます。
※予想倍率については、本番受験の時期になったら(出願者数が判明したら)、記事としてご紹介します。
また、今回、全ての学校を調査するのは無理なので、併願校ではなく、第一志望校とする受験生が多い東京の男女御三家に的を絞ってご紹介します。
前振りが長くなってしまいましたが、以下、御三家の未受験者数、未受験率などについてです。
御三家(男子)の未受験者数、未受験率!
まずは、御三家(男子)の過去6年間の未受験者数、未受験率についてです。
開成中学校
以下、「開成中学校」の未受験者数、未受験率などです。
年度
出願者
受験者
未受験者
受験率
未受験率
2020
1,266
1,188
78
93.8%
6.2%
2019
1,231
1,159
72
94.2%
5.8%
2018
1,234
1,171
63
94.9%
5.1%
2017
1,195
1,142
53
95.6%
4.4%
2016
1,211
1,131
80
93.4%
6.6%
2015
1,222
1,171
51
95.8%
4.2%
平均
-
-
-
94.6%
5.4%
※受験率、未受験率は小数第二位を四捨五入しています。
上記の数値からわかるように、開成の過去6年間では、受験率は最低で93.4%、最高で95.8%、平均で94.6%となっています。
また、未受験率については、最低で4.2%、最高で6.6%、平均で5.4%となっています。
そういう意味では、開成は、出願者数に対して、大体94.6%の人が受験し、
「5.4%の人が受験しない」
ということになります。
麻布中学校
以下、「麻布中学校」の未受験者数、未受験率などです。
年度
出願者
受験者
未受験者
受験率
未受験率
2020
1,016
971
45
95.6%
4.4%
2019
1,037
998
39
96.2%
3.8%
2018
933
917
16
98.3%
1.7%
2017
967
947
20
97.9%
2.1%
2016
908
894
14
98.5%
1.5%
2015
916
895
21
97.7%
2.3%
平均
-
-
-
97.4%
2.6%
※受験率、未受験率は小数第二位を四捨五入しています。
上記の数値からわかるように、麻布の過去6年間では、受験率は最低で95.6%、最高で98.5%、平均で97.4%となっています。
また、未受験率については、最低で1.5%、最高で4.4%、平均で2.6%となっています。
そういう意味では、麻布は、出願者数に対して、大体97.4%の人が受験し、
「2.6%の人が受験しない」
ということになります。
武蔵中学校
以下、「武蔵中学校」の未受験者数、未受験率などです。
年度
出願者
受験者
未受験者
受験率
未受験率
2020
601
580
21
96.5%
3.5%
2019
579
569
10
98.3%
1.7%
2018
548
541
7
98.7%
1.3%
2017
592
577
15
97.5%
2.5%
2016
608
590
18
97.0%
3.0%
2015
531
519
12
97.7%
2.3%
平均
-
-
-
97.6%
2.4%
※受験率、未受験率は小数第二位を四捨五入しています。
上記の数値からわかるように、武蔵の過去6年間では、受験率は最低で96.5%、最高で98.7%、平均で97.6%となっています。
また、未受験率については、最低で1.3%、最高で3.5%、平均で2.4%となっています。
そういう意味では、武蔵は、出願者数に対して、大体97.6%の人が受験し、
「2.4%の人が受験しない」
ということになります。
御三家(男子)のまとめ!
未受験率をまとめると、御三家(男子)の中では、
「開成中学校」の未受験率が一番高い、逆に言うと、受験率が一番低い
ということになり、
「武蔵中学校」の未受験率が一番低い、逆に言うと、受験率が一番高い
ということになります。
御三家(女子)の未受験者数、未受験率!
次に、御三家(女子)の過去6年間の未受験者数、未受験率についてです。
桜蔭中学校
以下、「桜蔭中学校」の未受験者数、未受験率などです。
年度
出願者
受験者
未受験者
受験率
未受験率
2020
555
532
23
95.9%
4.1%
2019
529
510
19
96.4%
3.6%
2018
533
521
12
97.7%
2.3%
2017
516
501
15
97.1%
2.9%
2016
538
523
15
97.2%
2.8%
2015
655
629
26
96.0%
4.0%
平均
-
-
-
96.7%
3.3%
※受験率、未受験率は小数第二位を四捨五入しています。
上記の数値からわかるように、桜蔭の過去6年間では、受験率は最低で95.9%、最高で97.7%、平均で96.7%となっています。
また、未受験率については、最低で2.3%、最高で4.1%、平均で3.3%となっています。
ただし、2015年度は「サンデーショック」ということもあり、例年の受験とは違うため、2015年度を除くと、桜蔭は、出願者数に対して、大体96.9%の人が受験し、
「3.1%の人が受験しない」
ということになります。
女子学院中学校
以下、「女子学院中学校」の未受験者数、未受験率などです。
年度
出願者
受験者
未受験者
受験率
未受験率
2020
798
746
52
93.5%
6.5%
2019
794
743
51
93.6%
6.4%
2018
760
717
43
94.3%
5.7%
2017
676
652
24
96.4%
3.6%
2016
695
673
22
96.8%
3.2%
2015
971
873
98
89.9%
10.1%
平均
-
-
-
94.1%
5.9%
※受験率、未受験率は小数第二位を四捨五入しています。
上記の数値からわかるように、女子学院の過去6年間では、受験率は最低で89.9%、最高で96.8%、平均で94.1%となっています。
また、未受験率については、最低で3.2%、最高で10.1%、平均で5.1%となっています。
ただし、2015年度は「サンデーショック」ということもあり、例年の受験とは違うため、2015年度を除くと、女子学院は、出願者数に対して、大体94.9%の人が受験し、
「5.1%の人が受験しない」
ということになります。
雙葉中学校
以下、「雙葉中学校」の未受験者数、未受験率などです。
年度
出願者
受験者
未受験者
受験率
未受験率
2020
419
391
28
93.3%
6.7%
2019
375
339
36
90.4%
9.6%
2018
307
299
8
97.4%
2.6%
2017
366
352
14
96.2%
3.8%
2016
356
345
11
96.9%
3.1%
2015
519
501
18
96.5%
3.5%
平均
-
-
-
95.1%
4.9%
※受験率、未受験率は小数第二位を四捨五入しています。
上記の数値からわかるように、雙葉の過去6年間では、受験率は最低で90.4%、最高で97.4%、平均で95.1%となっています。
また、未受験率については、最低で2.6%、最高で9.6%、平均で4.9%となっています。
ただし、2015年度は「サンデーショック」ということもあり、例年の受験とは違うため、2015年度を除くと、雙葉は、出願者数に対して、大体94.8%の人が受験し、
「5.2%の人が受験しない」
ということになります。
御三家(女子)のまとめ!
未受験率をまとめると、御三家(女子)の中では、サンデーショックの2015年度を除くと、
「雙葉中学校」の未受験率が一番高い、逆に言うと、受験率が一番低い
ということになり、
「桜蔭中学校」の未受験率が一番低い、逆に言うと、受験率が一番高い
ということになります。
最後に
今回、中学受験において出願して受験しない人はどれくらいいるのか?について、色々と述べましたが、先でも少し述べているように、未受験者数がこの数年で増えていることは、インターネット出願の学校が年々増えているという背景も大いにあります。
いずれにせよ、この記事、何かしらの参考になれば幸いです。